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2021.11
バイク再生物語 Vol.28 

バラバラに分解され、数年放置されていたKAWASAKI ZEPHYR 1100。
オーナーは自分好みのバイクを目指して、手を加えてきたようである。
しかし、いつの日か自分の手に負えない状況となり、長い期間の放置、ということになったと思われる。
ナンバープレートも付いているが、車検は既に切れて久しい。
この状態で持ち込まれても、普通の修理屋ならば〝手に負えない〟と断るところ。
この車両の年式は、未掌握。エンジンの色から、初期型ではないか?
オーナーのご注文は「時間はかかっても構わないので、全体的に〝黒〟のバイクに仕上げて貰いたい!」とのこと。さてさて、どこから手をつけるか?

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  • 入庫時状態
  • 車体分解
  • エンジン分解
  • 車体組付け
  • 車体完成

分解された部品が箱詰めで添えられている。
外されたヘッドライト、メーター類も確認できる。

腰を据えて分解に取りかかる。

なかなか手強いので、二人体制に。

腐食して固まったビスなどは削り取ることも。

錆び付いたボルトが固く動かない。エンジンをそのまま下ろすことができない。
まずは、エンジンヘッドから、徐々に分解していくしかない。

分解された部品はひとつひとつ状態を確認して、今後の行程を模索していく。

やっとマフラー

人力でだめなら機械の力を借りて・・・

とうとう、滅多に使うことのない大型レンチが登場!
錆び付いた長いボルトを緩めるのは至難の業。

これらをひとつひとつ再生する。
熟練の技と途方もない手間がかかることは必然。

錆やカーボンが過ごしてきた年月が見えてくる。
右側のバルブ・ガイドがなぜか、高さが低くなってし まっている。

あたかも盛られたような、バルブに付いたてんこ盛りのカーボン

パワーの源・ピストンのヘッドに焼き付いたカーボン。

エンジンカバーの内側溜まりに溜まったゴミと汚れ。

オーナー(再生依頼者)の要望に応えて、全体を黒を基調にまとめ上げた漆黒のマシンへと仕上がった。

近いうちに疾駆する姿は、いわば〝黒い稲妻〟となるか!


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